2018年11月05日

視覚障害者の自立と生活向上を 

こんにちは。11月に入り、暖かい日が続いていますね。
山の木々も少しずつ色づいて、紅葉の季節になりました。
先日、11月1日、点字の日の佐賀新聞、『私の主張』の欄に、佐賀県立盲学校PTA会長をなさっている世戸亜希さんの主張が掲載されました。
世戸さんは、お子さんの子育てをなさりながら、県内の視覚障害者の福祉のためいろいろな活動をされています。
今回の主張も思いを込めて書かれていました。
ブログへの転載のOKをいただきましたので、以下に文章を載せさせていただきます。

H30.11.1佐賀新聞 私の主張


私の主張 

視覚障害者の自立と生活向上を  佐賀市 世戸亜希(せと あき)(44)

 視覚障害は「情報の障害」「移動の障害」と言われます。
佐賀県内の視覚障害者(手帳所持者)は約2700人。皆さんの周りで見かけますか?
 職場にいますか?家に閉じこもり、何でも諦める生活を送っているのでしょうか。
 見えなくても、みえにくくてもパソコンは使えます。サピエに登録すれば誰の手も借りずに好きなときに本を読めます。調理もできます。訓練と日常生活用具があれば、大抵のことはできます。でも、ここに至るまでにはいくつもの壁があるのです。
 眼科医の先生、相談機関(ゆうあい、点字図書館、視覚連)につなげてください。当事者と出会うことで心がほぐれ、諦めが「やってみたい」に変わります。行政の皆さん、福祉サービスや点字図書館の利用実績数を丁寧に分析してください。利用しにくい、利用したくても利用できないのです。佐賀県には視覚障害者が自立するための訓練ができる歩行訓練士は一人しかいません。 
 ボランティアの皆様、点訳、音訳、対面朗読、音声ガイドのおかげで読書や映画が楽しめます。本当は1人で気軽に手軽に出掛けたい。タイムリーに情報に触れたいのですが、人に頼らざるを得ないしんどさを人の優しさが包んでくれています。
 事業主の皆さん、重度視覚障害者も事務職に就いています。作業環境を整えるために、就労支援機器貸出制度や助成金制度があります。障害者雇用は障害者理解のためにも必要です。障害者が働くための環境を整えることを手間と考えるのか、価値観を揺さぶる存在と感じるのか。仕事や食事など日常をともに過ごすことで、別世界の人ではなく、感情を持った同じ人間だという当たり前のことに気づきます。町で「何かお困りですか」と障害者に声を掛けることも自然にできるかもしれません。
 周りに視覚障害者がいたら、まずは外に出てみようと声を掛けてくださいませんか。また、この投稿はあなたの代読がなければ届きません。視覚障害のある人は、新聞を読むだけでも手間と時間と心を割きます。声を上げたくても、新聞に投稿したくても、気軽に、手軽にできません。私はそのもどかしさを感じ、今回「私の主張」に投稿しました。



Posted by てんとうむし at 13:33│Comments(0)
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